西田社長にきいてみた vol.2

独立当初信頼を得る為に何をしましたか?

塗装を請け負って塗装だけしてれば良い。独立前はそう思っていました。
でもすぐにそれが大間違いだと気づきました。

例えば、お客様は洗車や車内の清掃とか、途中経過の連絡とか、技術以外のところも重要視されるんです。

お客様には来店理由や、うちのサービスを受けてみてどういう印象を持ったか聞くようにしています。

その際に、先ほどの、技術以外のところで喜んでいただけてることが多かったので、それならばと、それらのサービスを強化して行きました。

お客様の中には、板金工場に車を持って行くと、車内なんかはむしろ汚くなって返ってくると思っている人は沢山います。

だからうちは、車内に関しても預かった時より綺麗にして返すことを心掛けています。

自分の技術一本で食って行ってやる!技術さえあれば何とでもできる!
と思っていた自分は、独立して2、3ヶ月であっという間に崩壊しました。

今振り返って見て、ディーラーの良かった所はなんですか?

会社のブランドも組織もできあがっているところが、やはり良いなと思います。

自分の会社を立ち上げた時に、看板もまだない状態で一番大変だったのは信用してもらう事でしたね。

無名で実績もない会社が、人から信用を得ることは本当に大変だと思い知りました。

実は独立当初は、ディーラーからの下請け一本で始めたんです。

下請けの場合、お客様はディーラー、例えばトヨタディーラーならトヨタに出したと思ってます。

それだけで信用されるのか、されないのかという違いが明確にあります。

色が合っているのか、凹みが直っているのか、事故前の状態に近づいているのかは、実際終わってみないと分からないんですが、ディーラーは後ろに看板があるので、お客様は修理が終わった車をそこまで見ないです。

綺麗になったね、直ったね、ありがとうございます、でおしまい。

自分たちで受注した仕事の場合は、まず車に近づいて、お客様自身がチェックするとこらから始まります。

信用と保証というのはすごく大きいんだと実感しました。

仕事をしていて楽しいと感じるときはどんな時ですか?

お客様が喜ぶ顔を見た時。引き渡しの時が一番楽しいです。

自分が目指しているものが出来上がっていく時も楽しいです。

塗装が終わった時など、一つ一つの作業が終わっていく工程ごとに、お客様が喜んでいる顔が浮かんでくる。
その瞬間瞬間がたまらないです。

体を動かす原動力になってます。

ディーラー勤務時代には体験できなかったことです。

営業マンが車を引き取り、見積もり担当が見積もりをする。
そして積載車に積まれた車が工場にやってくるので、お客様の顔が直接見えることがないからです。

どういう方が乗っている車なのかなど、全くわからないのはつまらないものです。

独立して下請けもやめて、自分たちで受注したお客様が、金額、仕上がりで喜んでくれた。

その達成感はたまらなかったです。

これだ!自分の欲しかったものは!と思い、そのまま突っ走り続けて今に至ってます。

そのときの最初の車は、スバルR2でした。

子供の頃はどんな子でしたか?

子供の頃から手先が器用でした。
ガンダムのプラモデルを作りまくってました。
レゴブロック大好きでした。

絵も好きでしたね。

習字は年長の頃から習っていて、あっという間に8段になりました。

でも少年野球に熱中するようになって、どことなく習字は恥ずかしいと思うようになってしまった。

親の影響もいろいろあって、男の子だから野球でしょ!と自分の中でも思うようになってましたんです。

自分の良いところが、出せない幼少期だったのかもしれない。
少年野球に熱中していなかったら、もしかしたら今頃、芸術の道に進んでいたのかもしれないですね。

時間があれば今からでも挑戦してみたいと思ってます。

完璧主義ですか?

何でもやると決めたら徹底的にやりたいです。これは小さい頃からです。

修理に関していえば、厳密にいうとぶつける前の状態には絶対戻らない物なんですけれど、目指すところは、ぶつける前の状態なわけです。

そこに限りなく近づきたい。

一番こだわるところですね。

目標としては、同業者が修理したい時に、持って来てくれるようになりたいです。

見る目が厳しい同業者が持ってきてくれるくらいになったのだったら、技術的には及第点なんだろうなと思います。

また、うちを頼ってくれた人みんなに喜んでもらいたいと思ってます。

お客様目線で考えて、ぶつける前の状態に限りなく近づける。そのためにやれることは何でもやる。
そんな気持ちで仕事にあたってます。