【プロの道具と技術】磨き残しを許さない!本当の艶を引き出す脱脂剤「IPA」の秘密

2026.05.10

車の板金塗装において、最終的な仕上がりの美しさを決めるのが「磨き(ポリッシュ)」の工程です。今回は、ガレージローライドの塗装チームが磨き作業の品質を保つために欠かせないアイテム、「IPA(イソプロピルアルコール)」についてご紹介します。

1. シリコンオフとIPAの使い分け

脱脂剤(油分を落とす溶剤)と聞くと、板金塗装の現場では「シリコンオフ」が一般的です。しかし、ガレージローライドでは作業工程や目的に合わせて「シリコンオフ」と「IPA」を使い分けています。

その最大の理由は「洗浄力の強さ」です。シリコンオフは非常に強力ですが、磨きの最中に頻繁に使うと洗浄力が強すぎて塗装面を傷めてしまうリスクがあります。そこで、軽めの油分を優しく落とすのに適したマイルドなIPAを、専用のスプレーボトルに入れて使用しています。

2. なぜ磨き作業に「脱脂」が必要なのか?

塗装中に入ってしまった小さなゴミ(ブツ)を取り除く際、まずはペーパー(ヤスリ)で表面を削り平滑にします。

すると、その部分だけが白く曇った状態になります。

次に、このペーパー目(ヤスリの傷)を消すためにコンパウンド(研磨剤)とポリッシャーを使って磨き上げていきます。

一見すると、傷が完全に消えて綺麗な艶が出たように見えます。

しかし、ここに落とし穴があります。 ノンシリコンのコンパウンドであっても、研磨剤にはわずかに油分が含まれています。この油分が微細な傷に入り込むことで一時的に艶が上がり、傷が消えたように「錯覚」してしまうことがあるのです。

3. IPAが「誤魔化しのない下地」を暴く

本当にペーパー目が消え切っているのかを確認するため、磨いた箇所にIPAを吹きかけ、しっかりと拭き取ります。

IPAによってコンパウンドの余分な油分が完全に除去されると、消え切っていなかった傷跡がはっきりと姿を現します。

油分による一時的な艶に騙されず、本当の塗装面の状態を確認し、磨き足りない部分は何度でも確実に磨き直す。これが磨き工程でIPAを使う最大の理由です。

4. 妥協のない仕上げ工程

前の工程のコンパウンドが残っていると、次の磨き工程に悪影響が出てしまうため、こまめな拭き取りと脱脂は不可欠です。

ただし、IPAも溶剤である以上、使用すると塗装面の艶が若干引けて(落ちて)しまいます。そのため、ガレージローライドでは最終の仕上げ工程で、引けた分の艶を専用の機材でしっかりと極限まで引き上げて完成させます。

おわりに

「コンパウンドの油分で艶を出して終わらせる」のは簡単ですが、それでは洗車を重ねるうちに油分が落ち、すぐに元の傷が浮き出てしまいます。 ガレージローライドがこうした地道な確認作業を徹底しているのは、お客様に「いつまでも続く本物の輝き」をお届けするためです。こだわりの詰まった当社の磨き技術に、ぜひご期待ください。